野島けんじ 『鳥は鳥であるために』 (MF文庫J)

鳥は鳥であるために (MF文庫J)

鳥は鳥であるために (MF文庫J)

志朗は水色のカバの姿をした「呪」に憑かれた「呪受者」.社会から忌み嫌われる呪受者であることを隠して普通の学校生活を送っていたが,能力をかぎつけられ拉致されたことから出会いが始まる.
話そのものは普通だと思う.トーンをいくらか上げるとそのまま『きゅーきゅーキュート!』になるのかな.しかし粘着質のストーカー(兄)だのバカップルだの,ダメなキャラクターの方が女の子よりずっと印象に強く残ってしまう.キャラクターで勝負するタイプの小説としては問題あるんじゃなかろうか.続きを読みたいという気になれないもの.「きゅ(後略)」にもそのきらいはあるし,作者は単純なエンターテイメントより読み手に不快感を与える文章を書く方が向いているんだろうなあ.いいとか悪いとかでなく.