ジェイムズ・P・ホーガン/池央耿訳 『星を継ぐもの』 (創元推理文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

真紅の宇宙服を纏った一体の死体が月面で発見された.冷凍ミイラ状態にあった死体は地球へ運ばれ,様々な調査を受ける.その結果,「チャーリー」と名付けられた死体は五万年以上前のものと判明,しかしその身体構造は現代人とほとんど変わらないものだった.
面白かったぁ.登場人物が類型的で弱く感じる・結論かなりトンデモなくね? とかトーシロにも気になる点がないでもないけど,チャーリーの由来を探る過程で明らかになる種々の事実,研究し推理し信念と主張を戦わせる様々な分野の学者たち,そして組み上げられる論理の連鎖.熱い熱すぎる.ハードSF と呼ばれながらも帯*1の簡潔で暑苦しいコピー,「これが未来科学だっ!!」が的確すぎる.「サイエンス・フィクション」の醍醐味ここにあり,でした.

*1:私の持ってる 1983 年の 17 版の