花房牧生 『アニスと不機嫌な魔法使い2』 (HJ文庫)

アニスと不機嫌な魔法使い2 (HJ文庫)

アニスと不機嫌な魔法使い2 (HJ文庫)

見た目は少年の大魔法使い・シドのもとに養女としてやってきたアニス.不機嫌な魔法使いと元気な空回り娘の父娘生活は難航しながらも三歩進んで二歩下がる.
ファンタジー世界を舞台にしたほのぼの養女もの.あるいは魔法使いのショタ爺小説.……と書くととたんに胡散臭くなるから不思議.ぜんぜん爺むさくは無いんだけどね.女の子たちを表に出した中世ファンタジー風ドタバタの裏で召喚魔法や政治的思惑やいくつもの秘密が潜んでいることを臭わせる.オーソドックスで地味といえばかなり地味だけど仕事は丁寧で好感が持てた.たっぷり用意した伏線をどう料理していくかでいい方にも悪い方にも転びそうな作品ではあると思う.雰囲気やテーマは大好物なので今後を楽しみにみていきたいと思っています.