- 作者: 一柳凪,ヤス
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/12/19
- メディア: 文庫
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いくら異能ものとはいえ,ちまい探偵の推理ごっこがラストに至って「そして、新たな宇宙がうまれる──」(カバー裏より)なんて思いも寄らなかったよ.とにかくハッタリの効かせ方が半端なく上手い.序盤ののんきな日々に紛れ込む砂を噛むような違和感が後半への伏線,ってかクッションとして機能してた気がする.様式美的な見立て殺人と衒学的な固有名詞の数々をぐいっと結びつける作者さんはほんまもんのエンターティナーやで.冷静になって考えるとわりと支離滅裂な話だと思うんだけど,ここまでアクロバティックに繋げてくれるとむしろ気持ちいい.という書き方だとアレだけど変な意味ではなく.めっちゃ面白かったです.