日日日 『狂乱家族日記 拾壱さつめ』 (ファミ通文庫)

狂乱家族日記 拾壱さつめ (ファミ通文庫)

狂乱家族日記 拾壱さつめ (ファミ通文庫)

各国要人を乗せて世界会議へ向かう船上で発生した不解宮ミリオン暗殺.犯人は分からぬまま神聖合衆国へ到着した凶華たち一行は不安と騒乱のなかで世界会議に参加することになる.
「『世界会議編』あるいは『閻禍伝説編』の総まとめ」ということで,現在進行する世界会議と,過去における閻禍とが章ごとに交互に描かれる.ともに急造でありながら障害を乗り越えつつ(?)絆を深めていく狂乱家族と,欺瞞を抱えたまま崩壊する 1000 年前の閻禍たち,ふたつの家族像を交差させながら現代に繋げていく.とりあえずのひと区切りということでまたもやのお祭り騒ぎ.「家族」に失敗した 1000 年前の悲劇もあわせ,やりたいことは分かるというか好みなんだけど,どうにも尻すぼみで盛り上がらなかったのが残念.広げた話をたたむのが上手くないのは相変わらずだなぁ.ストーリー的に外敵になりそうなものはひととおり排除できたはずだし,今後は「家族」の在り方を突っ込んで描いてほしいと思ってるんだけどどうだろう.