- 作者: 内山靖二郎,真田茸人
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/01
- メディア: 文庫
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かたわらで無邪気な顔をしている少女。
もふもふっ珠枝さま!〈2〉 (MF文庫J) - はてなキーワード
その正体はヤマイヌ、もしくは送り犬と呼ばれる妖怪。
ずっとずっと昔、人間が山で暮らしていた時代から共に在り続けてきた一族。
迷うモノを無事に家まで送り届けるため、そのあとをつける。
だが、その途中で転んだモノは喰らってしまう。
転んでしまうような弱いモノは排除するという、無慈悲な自然の摂理。
それを体現する存在こそ、ヤマイヌの正体だ。
優しくも、厳しい。
自然そのものともいえる、古く強い力を持った妖怪だった。
「転んだモノ」を喰らうヤマイヌと,ひとと共に暮らす八咫烏姉妹の末娘の葛藤.ラブコメ方面へテコ入れされたシリーズ第二弾.ヒトと妖怪が隣り合った生活は,一定の緊張感と優しさとが両立したもの.単に馴れ合うのではなく,互いを尊重すればこそ保たれる距離の描き方は今回も良かった.……のだけど,ドタバタした学園パートでもそれが維持されるのには違和感があった.ライトノベル的にはありふれた学園パートなんだけど,頭から馬鹿やる感じではなく,「超えられない壁」を一枚隔てたところから見ているような違和感がずっとつきまとう.本来のテーマからすると正しいと思うし動かすべきでもない壁だと思うのだけどどう見ても浮いていると思うんだ.『クダンの話をしましょうか』ではこの距離感が描きたいこととぴったりフィットしていたと思うんだけど,なかなか上手くいかないもんだねえ.