家族全員が超級能力を持ち,宇宙を股にかける星弓
一家の日常を描いた番外短編集.番外とは言いながら,妹のダイエットからどこかの
星の王子さま来訪の顛末まで,話のスケールがおかしいのはならでは.二転三転する話もいつも通りのテイストで短編ではあるものの密度は濃く手を抜いた感じが無いのは良い.良いのだけど反面,いつも通りの話を短編の尺に無理に収めているおかげで話運びが性急,また気取ったテキスト(シリーズの長所のひとつ)もあまり見られず,読みながら窮屈な印象を受けた.余裕がないというか.
「星の王子さま」はじめ,それぞれ長編でもいけそうな話が揃えられているだけにこういう形で消費しちゃうのはもったいないと思うんだけどなあ.まあ素人考えですが.とまれ個人的には美智乃と柚島の年少組(?)の活躍が楽しかったです.