陸凡鳥 『七歳美郁と虚構の王II』 (ガガガ文庫)

七歳美郁と虚構の王2 (ガガガ文庫)

七歳美郁と虚構の王2 (ガガガ文庫)

「……ご心配なく。美少女に不可能はありません」

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1999 年 12 月 31 日に発生し,1999 人が一斉に殺された世界同時多発テロ《拡大人的破壊》.首謀者を捉えんと立ち上がり救済の女王と呼ばれることになった九重白雪,しかしその実体は《拡大人的破壊》の真の首謀者であった.それから 5 年.白雪の新しい「計画」が始まろうとしている.
とっちらかっているので一言でまとめにくいのだけど,無理矢理まとめると伝奇風学園異能かな? 刹那的な思いつきの設定を継ぎ接ぎしたようなストーリーに加え,話の都合に合わせて揺れ動く強さの基準はインフレしてるんだかデフレしてるんだか.これほど「一貫性」から遠い小説も珍しい.珍しいんだけど,不思議と読んでいて悪い気にはならない.なんだろうなあ,好き勝手やれている奔放さというか話の辻褄合わせを放棄した潔さ? 刹那と刹那を繋げて読んだ瞬間に消える,結果としてすごくライトノベルらしいエンターテイメントになっていると思ったんだよね.テキストも一巻より読みやすくなっているし,これはこれで楽しい.土曜に書いた感想と正反対のこと言ってる気がしてきたけどまあ気にするな.男子三日会わざれば刮目して見よ,だ.
てことで面白かったです.いやマジでマジで.知人たちからは悪評紛々だったのだけど,私は応援して見ていきたいと思ってます.続き待ってます.