萩原麻里 『月明のクロースター 〜虚飾の福音〜』 (一迅社文庫)

月明のクロースター―虚飾の福音 (一迅社文庫 は 1-1)

月明のクロースター―虚飾の福音 (一迅社文庫 は 1-1)

全寮制の学園で夜な夜な開催される仮面の少年少女たちの儀式と,近所に住む幼馴染みの身に起こった異変の関連.超シスコンの兄と超ブラコンの妹が巻き込まれる「光と影のダークサスペンス」.どっちかってーと女性向け,なのか? お話はシンプルなのだけど,思い込みで突っ走る登場人物たちがごちゃごちゃに引っかき回すことで話が進み,ええいお前らもうちと落ち着けと文句が言いたくなる.とうてい意味があるとも思えない設定をあれこれ詰め込んだ悪趣味な組み立ても,かえってひとつひとつの意味を薄めて読みにくさを増しただけのような気がする.人間って醜い生き物ですよね,あとヤンデレ最高! みたいなひとならわりといけるんじゃないかという気もするんだけど,個人的にはちょっと.