- 作者: 岡田剛
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/07
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
吸血鬼と狼のノワール.近未来の人工都市を舞台に,母を殺した吸血鬼への狼の復讐と,吸血鬼の長い孤独を描く.面白かったです.分かりやすく解説された吸血鬼の由来や狼の造形,帯やカバーにある近未来伝奇バイオレンスも良かったけれど,400 年を経て人格(?)が歪みまくった敵役の吸血鬼ウィンウィンがとにかく良すぎる.道中さんざんっぱら悪辣と不気味さを見せつけときながら,クライマックスに見せつけるのはずっと表に出せず歪んで腐った純情のなれの果て,という.ハードボイルドというか漢のロマンというか童貞臭というか,そういうのが大好きな自分にはお膳立ても含めてもうたまらんかった.主役側の恵雨やロビンもウィンウィンの前では霞んで見えた.