三門鉄狼 『ラグナ・クラウン』 (MF文庫J)

ラグナ・クラウン (MF文庫J)

ラグナ・クラウン (MF文庫J)

「俺は姫さまを護るために剣を振るう。《薔薇の悪魔》を倒しつくすまで戦えと言われても約束できない。でも、姫さまが戦い続ける限り,俺はそれについていく。それは絶対だ」

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《薔薇の悪魔》に地上を完全に奪われてから約一世紀.生き残った人類は浮遊する城の上で国と社会を築き上げ,反抗の日を待っていた.物語は浮遊する王国の姫と,姫の騎士となることを熱望する学生の出会いの場面から始まる.
第 5 回 MF文庫J ライトノベル新人賞佳作受賞作.盲目的忠誠心を発揮して仕えるお馬鹿少年騎士と,はじめウザがりつつデレていくお姫さまという構図の,異世界ファンタジーもの.ストーリーラインはオーソドックスなものの,テキストの歯切れはかなり良く,キャラクターへのメリハリの付けかたが上手かった印象.おかげであざとさというかいやらしさというか,そういうのをあまり感じずに最後まで読めた.良かったと思う.
同時刊行デビュー作の『集団美少女戦士キューティ・パンツァー』でも思ったけどテキストのキレが個人的に特に好みの作家さんがまたひとり登場.ってことでしばらく追っかけていきたい所存です.