鮎川歩 『クイックセーブ&ロード』 (ガガガ文庫)

クイックセーブ&ロード (ガガガ文庫)

クイックセーブ&ロード (ガガガ文庫)

だってそうだろう、やり直しがきく人生になんの面白みがあるというのか。面白おかしいイベントがあったり、感動的なラストが約束されている分、ゲームの方がまだマシだ。

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ある時点から何度でも人生をやり直すことの出来る能力を手に入れた高校生.やり直しの条件は,いったん死ぬこと.些細な失敗や不愉快な出来事に出くわすたび,自殺してやり直す.死んで死んで,やがて心まで死にかけた少年がビルから飛び降りるとき,たまたま目を合わせた少女,一緒に落ちていく少女は久しく会っていなかった幼なじみだった.
第 3 回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作品.幼なじみは何故自殺しなければいけなかったのか.幼なじみを救うべく,『クイックセーブ&ロード』できる人生を少年は何度も何度もやり直す.ゲーム小説,というと違うだろうけど,まずテレビゲーム的なルールありきで膨らませている.加えて時間ものでもあるのだけれど,話が理詰めされておらず,勢いと激情任せで乗り切ろうとしている印象があった.そこまでは悪くないとして,3 章「リバース」から 4 章「リライト」に至る流れはひどかった.ご都合主義と呼ぶか丸投げと呼ぶか分からんけど,いくらなんでもこのクライマックスはないと思うんだがなあ.