原田源五郎 『今日もオカリナを吹く予定はない 2』 (ガガガ文庫)

今日もオカリナを吹く予定はない2 (ガガガ文庫)

今日もオカリナを吹く予定はない2 (ガガガ文庫)

「ふん……まあいい。だがもし今度遅刻をしてみろ。そのときはたっぷりと飴をくれてやるからな!」
「……は、はい。心に刻んでおきます」
多分鞭と間違えたと思われるが、あまり突っ込むと本当に鞭をくらいそうなのでやめておこう。

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オカルト大好き部,略してオカリナ部の活動内容は,「空気の読める人」,「見る目がある人」が集い,普通の人間には見ることのできない謎の敵「死角」を一升瓶でぶちのめすこと.こっそりとひとの寿命を吸い取るという謎の存在「死角」の正体とは,「見る目がある人」とはなんなのか? 結論から言うと「結局何もわからない」(Chapter.5 のタイトル).
シリーズ二巻.いくらきわどい角度でも見えそうで見えないパンツのガードの理由が明らかにされる."「非正統派」異能力バトル"とはいいながら,大半はひたすらゆるい部活ものの風情.異能の発動条件は玉乗りしたり,素敵な(恥ずかしい)ポエムを書かなければいけなかったり,罰ゲームめいて毎回変わる.「バックギャモンとは何か?」を知ったかで適当言うくだりは素直にわろた.そんなゆるゆるの空気を完全に保ったまま,クライマックスで明かされる世界の真実のようなもの(?)にはびっくりした.アイデアだけはありふれたものなんだけど,それらしくしゃっちょこばった伏線がぜんぜん用意されていなかったことが,かえって現実感の薄さに強く効いていた.文言どおり,言葉どおりに信じてもいいのか? みたいな不信感を否が応でも抱かされる.とどのつまり何でもありということなので,好き嫌いは割れそうだけどな.今後どうまとめていくかで傑作にも駄作にもなり得そう.ラストの引きは気になるのでとりあえず追っかけてゆくよ.楽しみにしてます.