西尾維新 『刀語 第三話 千刀・ツルギ』 (講談社BOX)

刀語 第三話 千刀・ツルギ

刀語 第三話 千刀・ツルギ

血も涙もない笑いあり!
奇態失態時代劇!
刀語の第三巻

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伝説の刀鍛冶・四季崎記紀の完成させた,十二本の変体刀を集める行脚の旅.今回向かうは出雲の三途神社.求めるは金偏に殺すと書いてツルギという名の,「多さ」を主題に据えて作られた刀.
12 ヶ月連続刊行大河ノベルの第三巻.一年半ぶりに西尾維新を読んだけど良かった.キャラクター小説の風味が強く漂う,あくまで軽く語られるストーリーに,七花ととがめの持つ異様なバックグラウンドを少しずつ乗っけていく.ハッタリの効かせ方はやっぱ上手いなぁ.「物理的にまったく同じ」千本の刀 vs. 無刀の殺陣は今回はおまけみたいな位置にある(と感じた)けど悪くない.作者のフォロワーと思しき作品もいくつか読んできたけど,比べるとやっぱいい意味で安定しているなーと思った次第.だいぶ出遅れたけど今から追いかけるのも悪くないかもなーと.