深見真 『ヴァーティゴ』 (幻狼ファンタジアノベルス)

ヴァーティゴ (幻狼ファンタジアノベルス)

ヴァーティゴ (幻狼ファンタジアノベルス)

どうか神様、これで何かが変わりますように。

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西暦 2030 年代,戦場における兵士は戦闘に適した体へ機械化された戦闘用サイバネティック・オーガニズムに取って代わっていた.自衛隊海兵隊の一員として台湾中国戦争に派遣されていた羽柴澪緒は,自衛隊を辞め,東京湾上に建造された高天原市で警視庁組織犯罪対策五課の夏目静香警部とコンビを組むことになる.
人工都市・高天原市を舞台に筋骨たくましい女刑事コンビが銃器・麻薬密売を追う.セックス&バイオレンスアクション.サイバネが珍しくなくなった近未来のパンクな世界観で,銃,格闘技,同性愛,マフィアといったいつも通りの深見真が暴れまわる.格闘技のプログラムをインストールすることで己を(比較的)容易に強化できるサイバネと,武術の持つ精神性を説くくだりが興味深かった.約 20 年後の東京の姿も,えらい極端ではあるけど面白い.しかし久しぶりに読んだせいかも分からんけどいつも以上にごちゃごちゃしていてストーリーの軸が見えにくかった.プロローグの前の一文と,それにリンクしたラストから,つまりそういう話を書こうとしたのかな,とも思ったけど,単に取り繕っただけのようにも見えるし.まあ普通に読むぶんにはあんま気にする必要もないのかもしれないけどね.