- 作者: 終倉敷,鳴見なる
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2010/04/22
- メディア: 単行本
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彼女は『そんなこと何でもない、まったく平気なのだ』と、それを強調しようとするように笑っていた。
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いっつもむっつりとした顔をしている癖に。
こんな時だけ笑っていた。
「へたくそ」
僕は声に出さずに呟いた。せめて普段通りに無表情ならまだ誤魔化せただろうに。嘘が下手にもほどがある。
ウェーク島に現れた硝子の塔からやってくる人類の敵,通称「ブルーマンデー」を倒すため,南鳥島に設立された水谷学園には多くの子どもたちが集められていた.
第 6 回スクウェア・エニックス小説大賞佳作受賞作.人類の敵と戦う素直クールな委員長がヒロインの学園ラブコメ.雰囲気はまるでガンパレ世界のワンエピソードのようだった.ブルーマンデーとはなんなのか,なぜ学校なのか,なぜ風紀委員長が戦うことになっているのか,そのあたりの前提に関する説明はまったくないまま話が進む.身長 180 センチのヒロイン黒髪めがねさん(名前)はじめ,熱血バカのクラスメート竹馬熱気,雷使いの忍者服部雷など,登場人物も記号であることを必要以上に全面に出している.潔いといえば潔いのだけど,他人の設定(世界観構築)にタダ乗りした感が強すぎる.「素直クール」とバトルだけで話を一本作りたかったってことなのかな,と想像は出来るけど,目指す方向が見えにくくなっていたというかよく分からなかったというか.デビューでこれだと今後苦しみそうだなあ,と.