桧山直樹 『ブック×マーク！』 （ガガガ文庫）

ブック×マーク! (ガガガ文庫)

どんな本にも、その世界がある。
自分で言ったその言葉が、頭の中で重くのしかかる。
そう、本には、その本の世界がある。だから、時としてその本の世界を現世と繋げる異界本があり、異界力が存在するのだ。

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ここは異界図書館．強い力を持つ異界本が集められている．ここにいる四人の異界図書館司書は，異界本の収集と管理を行っていた．ここにある日，ふだん本を読むことなどないひとりの少年が迷い込む．
『燃えよ剣』の世界が現実を侵食する．一冊の本をモチーフに話を動かす，という異能バトル版「“文学少女”」みたいな話．本のページの物理的な積み重なりが，まんま可逆的な積層構造の世界を作っている，という見方ができるのは面白い．しかし，本の解説というか解釈というか，いまいち通り一遍で愛がない．結局のところ普通の異能バトルにしかなっていないのが難だなあ．