日日日 『爆熱天使Xサン 見さらせ正義の一番星!!』 (スニーカー文庫)

「そなたは、愛されて、育ってきたのじゃな」
噛みしめるように、彼女はつぶやいた。
「生きていることが、ただそれだけで幸せなことであると、日常というものが、ひたすらに安楽で痛みも苦しみもないものだと、思いこんでしまうほどに──平和で、優しく、温かなところで、今日まで生きてきたのじゃな」
揶揄するような言葉だったが、その言葉に棘はなかった。
むしろ、羨ましそうだった。

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〈正義の味方〉たちを統べる〈正義機関〉は,誰も知らぬ間に日本を侵略し,誰も知らぬ間に崩壊していた.機関のボスを失った超兵器〈正義の味方〉たちは,互いの生命力である〈聖氣〉の奪い合いを始める.「ここから先が非日常じゃ」.
天使,魔法少女,変身ヒーロー,巨大怪獣,巨大ロボット──〈正義の味方〉たちによる「共食い」のはじまりはじまり.最初からインフレーション気味というあたりはある意味作者の集大成と言えるかも.しかし,バトルと世界観の説明だけでほぼ九割を占めている体感で,かなりバランスが悪い.シリーズの一巻目だし,らしいと言えばらしいけど,強烈に惹かれる部分が今のところ見当たらないのも苦しいなぁ,と.