森奈津子 『スーパー乙女大戦』 (徳間書店)

スーパー乙女大戦

スーパー乙女大戦

切なさのあまり、ギュッと目を閉じると、目尻に涙がにじんだ。
(なんて焦らし上手なの!)
見目麗しいバイセクシャルで、異性にも同性にもモテモテで、性的な経験値も高いかれんですら、舌を巻くテクニシャンぶりだ。
(こんなの初めて!)
初めてなのは当たり前だ。相手は地球外生物なのである。

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今回、本作においては、私は新たにオタク的官能表現として触手プレイを選択しました。触手物は日本人が編み出して世界に発信し、数多くの支持者を獲得している官能ファンタジーです。今こそ、我々日本人は触手に正当な評価を与え、国民の誇りとするべきではないでしょうか?(半分ぐらい本気)

「あとがき」より

クリスマス・イヴの午後.聖アンナ女学院高等部の寮が七人の女子生徒を残したまま亜空間へと移動した.現れた天使リリス曰く,彼女らは地球を守るため,神の意思により選ばれた存在であるという.七人の乙女たちよ,性の快感から得られるエネルギーを女性型有機ロボットのスーパーガイアに送り,巨大怪獣たちの侵略から地球を守るのだ!
触手あり巨大怪獣ありの「お笑いレズビアンSM」小説.快感を与えるために連れてこられたイソギンチャク状の宇宙生物(=触手)や,とりあえず敵怪獣に <censored> されないと必殺技を発揮できないスーパーガイアなど,オタクアイテムとポルノのお約束を組み合わせたあれやこれやが底抜けにおバカで楽しいこと.プレイの数々も全体的にネアカで良い意味でするすると読める.とりわけ触手描写には素敵に力が入っており,読んでいくうちに触手が好きになること請け合い.いやー,触手ってほんといいもんですね.触手好きはもちろん,触手に抵抗のある紳士淑女の皆さんも読んでみるといい.きっと触手の魅力に気付けるはずだから……