餅月望 『ロイヤル☆リトルスター 2 〜小さなアイドルは永遠に〜』 (スーパーダッシュ文庫)

でも……、だけど、それから後はどうだ?
これでアイドルを引退するというのならば、それでいい。けれど、セノンは約束してしまったのだ……。僕に、トップアイドルになると。
その約束はいつまでもセノンを縛り続けるだろう。失敗できないという環境は必ずセノンを追い詰め、傷つけるだろう。
セノンの輝きを阻害するだろう。

Amazon | ロイヤル☆リトルスター 2 ~小さなアイドルは永遠に~ (集英社スーパーダッシュ文庫) | 餅月 望, 千葉 サドル | ライトノベル 通販

地球が宇宙に開国(?)してから五周年.その記念式典の一環として,同盟の各惑星からアイドルを集めた音楽祭が開催されることになった.魔法星国アーリストンの王女にして新人アイドル・セノンのプロデューサー,信一は音楽祭の総合プロデューサーを任される.張り切る二人だったが.
アイドルは 11 歳.「アイドルスターダスト」で華々しくデビューを飾ったセノンと信一は次の大きな舞台へ挑む.割と正調の SF と言っていいと思うんだけど,描かなくてもいいことは変に意味を付け加えず,きっちりとごまかしきっているのが良い.一定の進化を遂げた知的生命はだいたい同じ姿をたどるから美醜もだいたいいっしょ,という一巻での説明といい今回といい,描くべきことと描かなくていいことの区分けがすごく分かっている.ストーリーも,一巻に比べると地味ではあるけど,「大きな目標(=トップアイドル)を目指しつづけること」が生むプレッシャー,すれ違い,他もろもろをシンプルにまとめあげていると思う.ロリ分は減っていたけど,良いものでした.