- 作者: 北元あきの,近衛乙嗣
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/12/21
- メディア: 文庫
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ルノアの表情に、どこか不安げな陰が差す。
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「だというのに、お前と一緒でない時に、お前になにかあったらわたしはどうしたらいいのだ。二人一緒なら生きるも死ぬも運命だ。でも──」
最後の方は消え入りそうな声だった。
ルノアがそっと肩に手を置いてくる。
「わたしを独りにするな」
〈竜の箱庭〉で魔術士の連続殺人事件が起こった.様々な思惑により捜査権を与えられたシグたち.しかし,殺しの手口がクルツ派一刀流のものだったことから,ルノアが拘束されてしまう.
七人の〈血塗れの竜王女〉たちによる殺し合い,〈ヴァルハラ舞踏会〉シリーズ四巻.今回も良かった.ひとつひとつのアクション(戦闘シーンに限らず)をキレ良く描くことに関してはいま出ているライトノベルでも指折りではないかと思う.戦闘シーンは,剣や銃や魔法を入り乱れさせつつも,二人以上でのチーム戦を基本として描く.強力な異能力を出しながらもそれに頼ることなく,コンビ戦の面白さがしっかり出ていると思う.反面(?),日常の描写はこれでもかとべた甘で,信頼関係をくどいほど繰り返し強調している.対象的な,というと少し違うけど,全体として見るとまとまっているのは面白いな.