チャー 『リヴァイアサンのセカイ』 （ガンガンノベルズ）

リヴァイアサンのセカイ (ガンガンノベルズ)

少し間を置いて、アンヌが話し始めた。
「倉田さんは、リヴァイアサンって怪物を知ってますか？」
「リヴァイアサン？　RPG でなら聞いたことはあるが……」
「このセカイは……その怪物に支配されているんですよ」

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ここは科学と魔法が，そして現在と過去と未来が混在するセカイ．数年前に長い鎖国を解いた日本には，吸血鬼が流れ着き，2 年前に殺戮事件を起こしていた．吸血鬼と対等に戦える人間＝ピースメイカー見習いの倉田は，実習としてフランスのピースメイカー，カラバ侯爵の護衛に派遣される．
スーパー歴史大戦 featuring 吸血鬼．ヒラコーやバキ，ニコニコ動画のネタなどあれやこれやを詰め込んだ，非常に景気がよくて，非常に趣味の悪い異能バトル．ネタのセレクトは悪くないと思うんだけど，後半に進むとミリタリ・格闘技のウンチクがむやみに多くなるのが難点かなぁ．アクションよりもウンチクのほうが紙幅を取っている印象がある．導入でぐぐーんと上がったテンションも，読み進むに連れて徐々に落ち着いていった．まあ分かってやっているようなのでいいのかもしらん．
あと蛇足だけど，200 メガトンの質量を持ち，全体の 99% 以上が破壊されてもなお滅びることのない無敵の怪物リヴァイアサンという描写が，今の状況で読むとぜんぜん違う意味で受け取れるのな．