陸凡鳥 『ハレの日は学校を休みたい!』 (ガガガ文庫)

ハレの日は学校を休みたい! (ガガガ文庫)

ハレの日は学校を休みたい! (ガガガ文庫)

「黄昏るな。僕なんて変態扱いされたんだぞ。ミリヲタだろうがコスプレ軍人だろうが、変態よりはいいだろ?」
「そんなポジティブに見せかけたネガティブは不要。第一、響川くんのような社会の底辺と同列にされたくないであります。ウジ虫に、人間様の悩みが理解できようはずもないでありましょう?」

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『若葉祭を中止しろ。さもなければ誰かが死ぬ』.文化祭を中止を迫る脅迫状が送りつけられた.容疑者として生徒会長に引っ立てられたのは響川晴.中学生のころから「反学園祭ゲリラ」として知られていた少年だった.身に覚えのない響川は,ミリオタの眼帯少女・詩ノ森ミアと一緒に真犯人捜しをすることになる.
脅迫状の真犯人はいずこ,そしてその目的は.学園祭嫌いの少年と学園祭をこよなく愛する少女のコンビが奔走する,「ほんの少し学園祭が好きになるかもしれない青春ラブコメ」.作者のこれまでのシリーズと比べると,キャラクターもテキストもかなり素直な印象を受けた.「RIDEBACK」のノベライズ以来ではないかな.どのキャラクターも妙に可愛い,具体的に言うと眼帯で軍人口調でおっぱい担当のミアが可愛いのがとても良い.物語の動機付けが弱いので序盤では「?」となるけど,ノリの良いテキストを追っているうちにだんだん楽しい気分になってくるという.デビュー作からずっと読んでるけどやっぱこの作者さん好きだわーという結論に落ち着くのでした.