- 作者: 瑞智士記
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/08/25
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 132回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
──想像してくださいな。全人類が一人残らず死に絶えた世界に陳列された、墓標の如き人形達。音楽も踊りも要らぬ、永遠の饗宴……。もしかしたら、それこそが真の理想郷かもしれませんわ。
Amazon CAPTCHA
人類が球体関節人形しか産まなくなってから数十年が経った.奇跡的にひとの姿で生まれてきたミラーナ,マリオン,フローリカの三人の少女は,
姉への依存症にあるマリオン,ストイックにバレエに打ち込むミラーナ,人形細工師のフローリカ,そして半人半人形のビアンカ.地球に残された最後の少女たちが送る最後の日々.SF というよりは幻想小説かな.病的なゴシックと,濃厚な百合がミックスした,ものすごい雰囲気がある.どこかしら病的で,かつギラギラしたものを抱えた少女たちが強烈な存在感をぶつけ合う,という.ガチの百合というのは,少女と少女の戦いでもあるのかな…….
人形として存在することで「繁殖などという低劣な目標から、種を解き放つことに成功した」人類という言葉には,うまく言えないけど個人的に頭をガツンとやられた感じ.すごいものを読んだのではないかという気がしてます.