美少女を嫌いなこれだけの理由 (このライトノベルがすごい!文庫)
- 作者: 遠藤浅蜊,黒兎
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2011/09/10
- メディア: 文庫
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美少女という生物は、人間の目には若い女性に見えても老若男女の別が普通にある。だからこそ年齢や性別についてとやかく言うのはマナーに反しているということになっている。いまいち頷き難いけれど、世間的にはそうなっているので僕は諾々と従う。五郎八さんが二ヶ月に一回年金を受給していたり、サブさんの口調がおっさん臭さ全開だったりしてもだ。「いやいやロリィタ大好き大森氏、あれ四十過ぎのおっさんだからね」などとSMGとして知りえている情報を漏らすのは嗜みがないこととされていた。
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神は最初に美少女を作り,次に人間を作ったとされる.美少女(父)と人間(母)のハーフの「準美少女」である高校生の亜麻野雄介は,全国美少女連合略して全美連の民営化に伴って開設された「簡易美少女局」のサポートマネージャー(SMG)を務めることになる.
人間とは別の生物であるところの「美少女」の生態,そしてお役所仕事としての「美少女」の面倒くささについて.第 2 回『このライトノベルがすごい!』大賞・栗山千明賞受賞作.上で引用しているように,外見と中身のギャップについてはわりとしっかり書いていると思う.「美少女」に民営化やら天下りやらといった面倒くさいものを乗っけて描いているのも悪くない.「美少女」とはなんなのかとか,根本に関わる細かい理屈を完全に放棄しているのは潔くて正しい態度だと思った.
中盤から後半に進むにつれてだんだんとっ散らかって,読みにくくなっていくのがちと難だった.アイデアを出して,ある程度書いた段階で勢いが尽きた感じがしたなあ.まあ率直に言って萌えないので,そういう意味では狙いは成功しているのではないかという気がする.嫌いではなかったです.