谷春慶 『モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣)』 (このライトノベルがすごい!文庫)

モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣) (このライトノベルがすごい!文庫)

モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣) (このライトノベルがすごい!文庫)

「でも、アレが本気の行動だとしたら、君って随分とペシミスティックに生きてるね」
「僕は厭世主義者なつもりはないけどな」
「あのね、ペシミストのなり方って先ず世界を全肯定するの。どうしようもない、それこそ救いようのないこの世界を全肯定して受け入れて、戦ったり抗うことを諦める。人によっては鬱っぽくなるけど、そこを超えたら笑うだけなんだよね、ゲツ君みたいに」
笑顔で言われた。

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高校生の望月砕月は,女性と見れば老若どころか種を問わず,口説かずにはいられないビョーキの持ち主.三角関係の修羅場を経て失恋し,公園で黄昏ていた砕月の前に現れたのは,人間離れした美少女のタマと,怪物ハーピーだった.
世界のバグを修正できる能力を持つモテモテ男の受難.第 2 回『このライトノベルがすごい!』大賞・大賞受賞作は,タイトルにストーリーのほぼすべてが含まれているような.確か発表直後にタイトル変更が話題になっていたよね.ストーリーは置いておくにしても,二重人格かと思うような言行不一致をとる主人公の設定がどうにも受け入れがたい.過去のトラウマと「ビョーキ」のひとことで説明されるのだけど,それで話が変わるわけでもなく.不愉快で仕方なかった.