- 作者: 小高和剛,小松崎類
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「あのね、アンタがいくら忘れようとも、アンタの行動までが消えてなくなったわけじゃないのよ……それは、アンタが忘れた世界でも今なお世界に影響を与え続けているの」
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「な、何のこと……?」
「ねぇ、今まで想像したことなかった? 自分の起こした行動が世界を回って、誰かを傷つけたり、誰かを苦しめている……そんな風に想像したことはなかったの?」
「そ、そんなこと──」
「まったく残酷な世界よね。でも世界ってそういうモンなのよ……人と人ってのは、アンタが思っている以上に複雑かつ多元的に絡み合っているの。たった一人の行動が世界を救ったり、たった一人の絶望が連鎖的に世界を絶望させたり……うふふっ、まったく素敵ね。ここって本当に生きるに値する世界よね!」
「超高校級」の才能を集めた私立希望ヶ峰学園.記憶喪失の少女・音無涼子と,《超高校級の神経学者》松田夜助は,隠蔽された《希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件》に近づいていく.
サイコポップな PSP ゲーム,『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』の,シナリオライター自らの手による前日譚.本編のネタバレがバリバリと出てくる(本編では慎重に正体が伏せられてきた《超高校級の絶望》が最初の 1 ページからカラーイラストで登場したのには思わずむせた)ので,少しでもゲームに興味があるなら先に読まないほうがいいのかな.もちろんこちらを読んでからゲームを遊ぶのもアリではあるけど,「この前日譚によってついに、ハンニバル・レクターやジグソウに続く新たなサイコスリラー界のスーパーヴィランとして完成された」(虚淵玄の帯コメント)という『あのキャラ』を心から味わうには,できるかぎりネタバレを避けつつ,ゲーム → 小説の順番で読むのがいいと思っているので.
上巻で事件のお膳立ては整った.来月発売の下巻を心待ちにしてます.