- 作者: 川岸殴魚,Ixy
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/10/18
- メディア: 文庫
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「なんなんじゃこれは? ハンドルよりもむしろサンダルに近いしろものじゃわい! いったい、どういうハンドル感の持ち主なんじゃ!」
きぜんと撤収!! 邪神大沼 8 (ガガガ文庫) | 川岸 殴魚, Ixy |本 | 通販 | Amazon
「だって、天狗的にはハンドルは見慣れぬ、サムシングなんだよ! ハンドルなんて知らずに生まれ、そして死んでいく天狗がほとんどなんだよ、それでも元気に楽しくくらしてるんだよ!」
勇者を倒した功績により,名誉准上級邪神代理補佐風味へと一気にランクアップした大沼は,全邪協よりかつての部下であるグール C の粛清を命じられる.まずはとグール C を尾行した大沼だったが,後ろから何者かに襲われ意識を失う.目が覚めると,大沼はマモノンの体になっていた.
大沼は元の体を取り戻せるのか? 大沼がなぜ邪神呼ばわりされるようになったかが明らかになる,邪神コメディシリーズ完結編.読むたびに同じこと言ってて恐縮だけど,ギャグの安定感とテキストのセンスは飛び抜けている.「ハンドル感」だの「防具ブーム」だのといった言語センスしかり,定番となった姉小路の安心感しかり.ラストは見事な大団円……失礼ながら,こんないいラストになるとは思ってなかったのでちょっとびっくりした.あと個人的に印象深かったのが井上さんの奥さん再登場.出番は八冊で数回しかなかったはずなのだけど,やけにいいところで出てきたせいか,必要以上に印象に残った.記録より記憶に残るキャラクターというか.
ということで笑わせていただきました.ライトノベルという枠に留めておくのはもったいない,本気で笑える傑作だと思うのですよ.今からでもみんな読むといいと思うよ.