瑞智士記 『あかね色シンフォニア』 (一迅社文庫)

あかね色シンフォニア (一迅社文庫 み 3-3)

あかね色シンフォニア (一迅社文庫 み 3-3)

その何ともいえない香りは、まさしくポップガードの本体から漂っていた。より正確には、素材として使われた黒タイツの生地に染み付いている。
そなはようやく、香りの正体に気づいた。鼻先を近づければ近づけるほど、悪いことをしているような気がしたけれど、何だか無性に、胸がドキドキした。
「ゆずちゃんの匂いがする……」

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高校へ進学したら何か音楽に関係することをやりたい.そう考えていた茜根そなは,誘われるまま電子音楽研究部こと DTM 部に入部する.音楽の素人だったそなは,先輩や周囲の助けを借りながら DTM と百合の世界に目覚めていくのであった.
DTM をテーマにした部活小説.登場する用語や器具なんかは DTM 全般から広く浅く採っているのかな.DTM の知識がぜんぜんないので,熱く語られてもいまいちイメージがつきにくいというか,どこまでがリアルで,どの程度フィクションが混ざっているのかが分からないというか.端々の百合描写にピコーンとくるものはあるのだけど,全体通してみるとめんどくさい印象のほうが強いなあ.