- 作者: 来楽零,緒方剛志
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/06/10
- メディア: 文庫
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本当にクックロビンは死んでいたのか。──いや、そんなことは問題じゃない。問題は、彼を殺し、葬り、悼んだ者たちがいたということ。それによってクックロビンの死は完成させられたということ。
クックロビンの埋葬
きっと、あの死体の女にも、同じことが必要なのだ。
怪奇小説サイトのオフ会で語られたお話,という体の,百物語風の怪奇短篇小説集.ライトノベルには珍しい短篇小説集になる.「正しい死に方」をしなかった女の死を完成させる「クックロビンの埋葬」がアイデア,描写ともに抜群に良い.ホラー小説として完成度が高く,これだけは間違いなく読む価値がある.頭に袋を被り,鉈で夜な夜な首を刈って歩く者の話「ヘッドハンティング」,子どもたちが正しくない大人たちを監視する町の出来事「子供たちの町」,学校の七不思議すべてを知ってしまった少女の結末「七不思議の向こうで」と,後ろの方に行くにつれてだんだんクオリティが落ちていく感がある.一話目の「クックロビン〜」が良かっただけにちょっともったいない気がした.