瀬尾つかさ 『魔導書が暴れて困ってます。2 ま、どうにかしましょ』 (一迅社文庫)

魔導書が暴れて困ってます。2 ま、どうにかしましょ (一迅社文庫)

魔導書が暴れて困ってます。2 ま、どうにかしましょ (一迅社文庫)

「学園の中にいることで、謙児は、人目に触れることを避ける大多数の邪神の子たちから守られています」
「人間の盾、ってことか」
「嫌ですか」
「ああ」
「では強くなってください。わたしが、そんな小細工なしでも謙児を勝たせることができるくらい、強くなってください」

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邪神の血を引く真崎謙児は,魔術協会の伊佐木イリーナと冬菜の姉妹とともに,六道島で暴走する魔導書を封印しつつ日々を送っていた.ある日,六道島に魔術協会より宇此鳴アンリエッタが訪れる.伊佐木姉妹の分家らしいアンリエッタの登場に,冬菜の心中はなにやら穏やかではない様子.
ヒロインの妹で落ちこぼれの冬菜と,才能あふれるエリートのアンリエッタ.正反対のようで実は「似たもの同士」であるふたりの女の子を,主人公謙児との関係から浮き彫りにしていく第二巻.今回も良かった.ひとつひとつが単刀直入なのが良いよなー.この手のライトノベルだと,キャラクターを回りくどく描いて肉付けしていくのが普通だと思っていたので,本題や本質にズバッと切り込んでいく描き方がすごく新鮮に感じる.それでいながら,ストーリーが細っている印象は無いし,キャラクターの魅力もそれぞれにしっかり発揮されている.テクニックなのだろうけど,素晴らしいなぁ,と.