- 作者: 八杉将司
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/05/24
- メディア: 単行本
- クリック: 21回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
それまでに俺たちは何ができるだろう。何をすべきなのだろうか。
Amazon CAPTCHA
というか、なぜ何かをしなければならないのか。
ヒトなら自分が死んだのち、子孫が生きる世界のためにその何かをするんだろう。少しでも長く後世に自分の痕跡をつけるべく、行動を起こし、何かを作り上げていく。
では、自然の摂理からはずれ、子孫が残せないノンオリジンである俺たちは、いったい何をしたらいいのだろう。
スーパーディザスターと呼ばれる地球規模の災厄から 10 年.地球はほとんどの国家機能を失い,荒廃した世界となっていた.仲間たちとサバイバルの生活を送っていたノンオリジンのアーウッドは,月から逃げてきたというノンオリジンの男を拾う.
遺伝子操作で生み出されたある男がめぐる,スーパーディザスター後の地球と月.やがて生まれる新しい世界.一冊の中に現代 SF のエッセンスをすべて詰め込んだような,なんというか,「SF のための SF」という感じの物語かな.ネタが存分に詰め込まれているわりにリーダビリティが非常に高いので,SF に慣れていないひとでもサクサク読みやすいんじゃないかなーと思う.その反面で,ひとつひとつの要素への踏み込みがいまひとつで,淡々と流されてしまう感覚が強い.故意に抑えた描写をしている,のかな? しかしこの一冊からさらにいくつかの物語が切り取れそうな感じがあるだけに,なにも一冊にまとめてなくても,ちょっともったいないような,と思ったのでした.