- 作者: 瀬尾つかさ,美弥月いつか
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2012/12/20
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
ソーニャはおおきく息を吐き、ケンタウロスが絶命するさまを眺めた。
Amazon CAPTCHA
「おまえたちは、なんなのじゃ。いったいどこから来て、どこへ行くのじゃ」
モンスターに人間の言葉は通じない。
そのはずなのに……。
ケンタウロスのノーブルは、消えゆく寸前、にやりと笑った。
カイトは一年前まで地球と隣接した亜世界クァント=タンで,機士としてモンスターから人々を守る役目を担っていた.王に疎まれ,日本に戻って高校生として日々を送っていたカイトのもとに,クァント=タンでの仲間だったフレイ・サルタールが現れる.フレイはカイトに力を借りたいと頼み込む.
瀬尾つかさの異世界ファンタジー新作.一迅社文庫で書いてきた一連の作品と,世界観の面でゆるいつながりがあるのかな.世界の仕組みはしっかり作りこんである印象があるのだけど,必要ないことを説明しすぎず,頭のいいキャラクターたちでストーリーを回している.ひどくざっくり言えば,母と子の血の物語ということになるだろうけど,ただ単にきれいにまとめるだけでなく,よじれた感情を物語に非常にうまく織り交ぜている.いつも思うことだけど上手いなあ,と.しかしできることなら長篇で読んでみたいなあ.一連の作品を横に貫くだけでも,魅力的な世界が出来そうな気がするじゃない.