小川一水 『天冥の標VI 宿怨 PART3』 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)

そうして、何が起こっているのかほとんど知られないままに、太陽系人類文明の最後の騒乱の幕が、とうとう上がってしまった。

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決定的に決裂した非染者(ジャームレス)《救世群》(プラクティス)の戦争は全太陽系に拡散.戦火と冥王斑にすべての者が倒れてゆき,太陽系にこれまでにない静寂が訪れる.
「シリーズ中盤のクライマックス、ついに終結」.互いを憎みあう者あり,融和を図ろうとする者あり,その陰に暗躍するものあり.終始わくわくしながら読んだ.ミクロ視点とマクロ視点,いずれもおざなりにせず,投げ出さないストーリーテリングは良いよなあ.デビュー当初からの作者の持ち味がこれ以上なく存分に発揮されている.恐らくここから「メニー・メニー・シープ」(感想)につながっていくのだと思うけど,しかしどこからどう収集をつけるのか,現時点ではさっぱり想像できない.次を早く読みたいところであります.