水上貴之 『KNIGHT INSPECTOR 熾炎の狩人』 (一迅社文庫)

KNIGHT INSPECTOR 熾炎の狩人 (一迅社文庫)

KNIGHT INSPECTOR 熾炎の狩人 (一迅社文庫)

「我々には我々の面子もやり方もある。従来は特殊公安に任せてきたが、これほどの不手際ではもはや看過できん。バケモノとて現実の生物だ。内でも外でも、得体の知れん奴らにこれ以上の専横はさせん」

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七人の少女が殺され,首なし死体となって発見される猟奇殺人事件が発生して世間を騒がせる昨今.捜査一課の刑事を母に持つ高校生,結人は,イギリスから視察にやってきた捜査官の少女,イクスの案内役を務めることになる.
第1回一迅社文庫大賞入選作.オーソドックスな,というかどことなく懐かしさを感じる異能ファンタジー.「スレイヤーズ」とか「灼眼のシャナ」といったあたりの直系なのかな.特別目立った点があるわけではないのだけど,ヒロインのイクスが殺しのライセンス(「Licenced To Kill――Human」)を持っているという無駄な設定には笑ってしまった.くそうこんなことで.しかしまあ,あとがきが読んでるこっちが恥ずかしくなるほど初々しい(ここまで初々しいあとがきは初めて読んだ)もので,そんな気持ちも吹っ飛んでしまったのでした.