六塚光 『背約のキャバリアー』 (一迅社文庫)

背約のキャバリアー (一迅社文庫)

背約のキャバリアー (一迅社文庫)

「『通信制ゴスロリ忍法入門』……?」
「ゴシックロリータの衣装を着ていながらにして、旧約聖書に描かれた怪物リヴァイアサンをも打ち殺しうる、画期的な格闘術だそうだ。それをベーシックにして、赫夜君に血の滲むような訓練を課したんだが――」

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滋賀県蛸生津市は琵琶湖沿岸にある町.ここでは虹色に輝く霧,虹霧が17年前から立ち込めるようになっていた.虹霧の中に入った者は二度と帰ってこないという.
知らぬ間に悪魔のいけにえにされそうになった幼なじみを救うため,奮闘する少年の「琵琶湖LOVE寄せトルファンタジー」(帯より).幼なじみを自分から脱がせるための理屈付けとか,アクションとかくすぐりとか,さすがにうまくまとまっているなあと思う.さくっと読むにはいいけど,でも「まとまっている」止まりかなあとも思う.引用部分のゴスロリ忍法や,巻末の番外編など,『Le;0 -灰とリヴァイアサン-』(感想)とリンクさせている部分もあったりなかったり(ほぼない).おかげで「Le;0」の設定はものすごくよく練られていたんだなあと痛感することになった次第.