水沢夢 『俺、ツインテールになります。3』 (ガガガ文庫)

ケルベロス……どっかで聞いたことあるのよねぇ……」
「そりゃ俺だって知ってるよ」
亡者を喰らう怪物と伝えられる、伝説・神話上の生物だ。
「そうじゃなく、うーん……あ!」
母さんは頭の上に電球が灯るのが見えるようなわかりやすいリアクションで、ポン、と手を叩いた。
「そうだそうだ、母さん高校生の頃、後輩の女の子を犬にして飼ってた時期があったのね?」

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アルティメギルの処刑人,ダークグラスパーの正体は,眼鏡属性(グラス)をその身に備えた人間の少女だった.ダークグラスパーはかつてツインテイルズだったトゥアールと何やら浅からぬ因縁があり.
ヒーローものフォーマットにのっとりつつ,性癖と性癖が正面から激突する.新たな敵が立ちはだかるシリーズ第三巻.相変わらずテンションがむちゃくちゃ高ぇ.「滅びゆく属性」をはかなみ,眼鏡属性(グラス)を高らかに謳うさまは活字版小野寺浩二というかなんというか.あと,貧乳をここまで「攻撃的」(あらゆる意味で)に表現した作品を私はほかに知らないよ.ストーリーは落ち着きつつある気がするけど,なんだかんだと読むところは多い.人間とアルティメギルは共存できない,という前提に亀裂を入れるこの巻は,けっこう重要なターニングポイントになるのではないかな.