神世希 『DEUSLAYER』 （講談社BOX）

DEUSLAYER (講談社BOX)

「貴様の使命はなんだ？　その存在は何のためにある？　言ってみろ」
立ち上がった久世に向かって、男の威圧的な言葉が放たれる。
「ヒトと、このセカイ護るため……」
久世はか細い、今にも消え入りそうな声で答えた。
「ハァ？　何を言っている、違うだろ？」
それに対し、男は久世を踏みにじるような表情(カオ)で告げた。
「貴様の使命はヤツらを倒すことだ。あのバケモノ共をブッ殺すことだろうがッ！」

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人口が激減し，すべての教育機関が人工島上に統合された22世紀．バイト生活を送る高校生の藤原法火(フジワラノリカ)は，通行禁止になった夜道で，機械を纏った少女がバケモノと戦う場面に遭遇する．
造られた三人の戦闘少女と，その家政夫になった主人公のドキドキ同居生活．『神戯 ―DEBUG PROGRAM― Operation Phantom Proof』（感想）に続くデビュー二作目．あらすじの「超王道美少女バトル」のとおり，非常にストレートなバトルものになっている．ストーリー的なつながりは，あると言われればあるような気がするし，ないと言われれば確かにない．素直に読めば，ラブコメや学園もののお約束を散りばめたシンプルなバトルものなんだけど，「神戯」を読んだあとだとボリュームやお遊びが足りない気がする．タイポグラフィもかなり控えめだし．飼いならされているのか……．
異世界からやってくる人類の敵との命を賭けた戦いと，教室でのスクールカーストのいざこざがほとんど同じレベルで並行して表現されているのは面白いところ．まあ意図的にやっているんだろうけど，どう見ても尻切れで終わってしまっているのは，個人的に嫌いじゃないだけに残念．