- 作者: 法条遥
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/02/07
- メディア: 新書
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いや、もはやそんな問題ではない。気付くとか、発見とか、そうじゃない。根本的に、何かがおかしい。何かが狂っている。
Amazon | 404 Not Found (講談社ノベルス) | 法条 遥 | ミステリー・サスペンス・ハードボイルド 通販
裕也は膝を抱えた。縮こまって、体育座りになる。出来た脚の隙間に頭を押し込んだ。
震えているのが分かる。怖い。この異常な世界。
何だ?
ここは、本当に、『世界』か?
『自分は、ここで死ななければならない』.強烈な衝動に突き動かされて,ビルの屋上から飛び降り自殺をした池上裕也は,次の瞬間,自分の部屋で飛び起きる.最初は夢かと思った裕也だったがそうではない.同じ時間を繰り返しているということに気づくのはすぐのこと.
奇妙なルールに従い,何度もリセットされる世界に翻弄される高校生の少年.『世界』の構造を把握した主人公が取った行動とは,というミステリ.いやー,むちゃくちゃ面白かった.我ながらどうかとも思うがすごく好きだわーヤバイわー.前作『リライト』(感想)が「ひどい時かけ」だとしたら,こちらは「ひどいシュタゲ」というか.まあプロットを書いたのは2008年6月らしいし,シュタゲっぽいのは最初の印象だけなんだが,ひと言で言うとひどいエロゲーのような話である.神の不在や観測問題,並行世界にメタフィクションの手法を思わせぶりに駆使して描くのがこれか! いいじゃないですか! 題材が題材だけに,この『世界』の構造を把握したうえで,どれだけ面白がれるか,という点ではひとを選ぶところも多い気がするけどね.なんかツボにはまって楽しんでしまった.エロゲーとかノベルゲームが好きなひとなら読んでみて損はないんじゃないかな.