- 作者: 新木伸,あるや
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/03/18
- メディア: 文庫
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「いま兄は、予約の入った『究極のフルコース』の材料の仕入れで、北大西洋の海底に出かけていてね――」
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京夜の訊きたいことはすべて知っているとでもいうように、紫音さんは話しはじめた。頭のいいひと特有の話しかただ。なんだかテレパシーでも使って心を読まれているかのようだ。
「――前菜のカルパッチョに、どうしてもクトゥルフの刺身が必要らしい」
「クトゥルフってなんですか?」
「イカの一種にでもなるのかな」
正体不明の部活動GJ部の,とくに何をするでもない活動の記録.4ページのショートストーリー×36話で「四コマ的小説」をうたうコンセプトが個人的には非常に気に喰わないのだけど,読んでみたらあんがい楽しんでしまった.頭を使わずに読めるテキストもさることながら,幕間に載せたプロフィールとかイラストとかが,本全体の雰囲気作りにすごく効いてる.考えなしに書いただけではこの完成度には絶対ならないだろうし,イラストとテキスト(と編集)の二人三脚(三人四脚)が大成功した例なんではないかな.