- 作者: 手代木正太郎,mov659
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/07/18
- メディア: 文庫
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東天に一際強く輝く妖星が流れた。
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その星は、乱れたこの世を正すため、神が大地に放った一閃の矢のようであった。
民らは、まだ知らぬ。
その流星こそ、この地獄に〈王子〉が降臨したことを告げる光であるということを!
飢饉と圧政に人心乱れる戦国の世.まさに地獄の荒野に,美しき〈王子〉が降臨した.〈超赤い糸理論〉により結ばれた姫の行方を追って光の国からやってきた王子は,見たものを魅了せずにいられない金髪碧眼の美貌とアンドロメダ流剣術を自在に操り,行く先々で数々の奇跡を引き起こす.
第7回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作.僕たちの考える最強の〈王子様〉が,荒れ果てた戦国日本(のような世界)を救済する.とぼけたところも多々ありながら,ヒーローものでもあるしチャンバラものでもあるしBL展開もあるし,多くのジャンルを横断した作品となっている.ほどよく華美に飾り立てられたリーダビリティの高い文体も独特の世界観を演出する.そして繰り出されるトンデモガジェットと理論の数々.アンドロメダ流剣術! アンタレス忍法! 美しすぎて暗器も刀も避けて通る.己の美貌を反射させられたときのセリフが「ぐあっ! 美しい!」ってやかましいわ! 俺TUEEEEEE!! ならぬ,俺美SHEEEEEEE!! の極北ではなかろうか.デビュー作で第9回講談社BOX新人賞Talents受賞作の『柳生浪句剣』(感想)が大好きだったのでこちらも期待してたのだけど,その期待を軽々と越えられてしまった.こういう作品が定期的に出てくれば,ライトノベルも安泰だとわりとマジで思ったことです.最高でございました.