遠藤浅蜊 『魔法少女育成計画limited(前)』 (このライトノベルがすごい!文庫)

悪夢のようだ。逆らうことが許されないまま連れてこられ、コスプレ魔法少女軍団は「悪の魔法使い」に襲いかかっている。相手が何者なのかも知らないまま、漠然とした「悪」というイメージに向かってワゴン車に群がっているのだ。野盗かテロリストとやっていることは変わらない。

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B市の中学校に現れた妖精トコの手により,七人の魔法少女が誕生した.悪い魔法使いに追われているというトコは,魔法少女たちに助けを求める.漫画やアニメのような展開に色めき立つ魔法少女たちはそれぞれの思惑で協力することになる.
24時間限定の結界に閉じ込められたB市に,「魔法の国」から逃亡した凶悪犯と,130年前のグレートブリテン島で封印されていた魔法少女とが集結,破滅の予感が漂い始める.「魔法少女育成計画」シリーズの最新作.過去二作のようなゲーム要素が薄くなっており,おかげで個人的にはいちばん入りやすかった.キャラクターの区別がぜんぜんつかないという欠点は相変わらずだし,必要以上の安さがあるのも好き嫌いがあるだろうけど,これなら後編にも興味が出る.しかし「魔法少女=ろくでなしの人間災害」みたいな前提が当たり前になってるのはなんかまだ違和感があるのだけれど…….