- 作者: 田中ロミオ,戸部淑
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/07/18
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 103回
- この商品を含むブログ (57件) を見る
「知らない言葉や対処できない会話パターンに同じ返ししてるだけじゃん!」
Amazon CAPTCHA
Yがつまらなそうに言いました。
「それはパターンの蓄積が足りないからで、そのうち改善されていきますよ」
「いや、これさ、パターンたくさん覚えたとして、自然に対話できるようになったとして……それって心?」
「うーん……とりあえず、意思疎通しているような気にはなります」
クスノキの里にできた学校で先生役を丸投げされたわたしの苦労を描く「妖精さんたちの、ちいさながっこう」と,記憶喪失になってしまったわたしが壊滅したクスノキの里の謎を探る「人間流の、さえたやりかた」の二篇を収録.糞ガキどもと怒れる親御さんたちにへどもどするレギュラー陣の「〜ちいさながっこう」に,あるミステリ的仕掛けとSF的仕掛けが施された「人間流の〜」.相変わらずするする読めるのに,いろいろ仕掛けがあって油断できなくて楽しい.それっぽい用語をスマートに組み込むのがうまいよなあ.くどくど説明しないことがこの世界の雰囲気をしっかり作っているんだろうなあ.みたいなことを今さらのように思いました.