稲葉義明 『ルガルギガム』 (ファミ通文庫)

「ボクの隣に来てください。アマギ・ソーヤ。ボクのルガルになってください。あなたがボクの王に、ボクがあなたの神になるのです」
囁くような声でラクエルがつけ足した。
「それがボクたちの〈運命〉なんだよ」

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平凡な高校生の天城颯也は,ある日突然異世界へと放り出される.住人たちに〈国土〉(キエンギ)と呼ばれるメソポタミア周辺のこの土地は,生きた神々(ネフィル)に支配されていた.それから一年.颯也は元の世界へ帰る方法を求め続けていた.
神話世界の「本格ヒロイック・ファンタジー」と銘打っているけれど,どうも全体的に悪い意味で安っぽい.世界設定や状況をぜんぶ一人称で説明していて,それ以上の積み上げが感じられないのも安っぽいし,現代との繋がりの付け方も安直だし,そもそも一人称の地の文が安っぽい.ある時点から目が滑るばかりで,読み進めるのがつらかった.