- 作者: 倉阪鬼一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/09/08
- メディア: 単行本
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「かしこまりました。わたしが手本とした作家は、次のような理想を語っておりました」
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「倉林とか倉田とかいう売れない作家だな?」
「倉阪鬼一郎でございます。阪はコザトヘンで、ツチヘンの坂ではありません」
「どっちでもいいって。で、その阪倉が?」
「……すべての文章、ひいてはすべての言葉が伏線になっているミステリーが、彼の理想なのだそうです」
「すべての言葉が伏線? それって、ただの病気じゃないのか?」
復讐のために建てられた双子の館,黒鳥館と白鳥館.ひとりずつ招待されるファインアート研究会の面々が,密室でひとりずつ殺されてゆく.
やー,楽しかった.上の引用部で述べられるとおり,全編が伏線で作られたバカミステリなので,うかつに内容に触れた感想を書くと即ネタバレになりかねない.作中のある仕掛けと,まったく同じネタを使った作者の別の作品を何年も前に読んだぞ,くらいかしら.その時の作品と比べると非常に洗練されているし,終盤に向かってどんどんバカバカしくなっていくのが楽しい.三崎のマグロが食べたくなる小説でありました.