- 作者: 赤月カケヤ,しらび
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/06/18
- メディア: 文庫
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『違うよ、斗和。できなかったんだ、人類は。環境をつくり、生命を生み出す技術をもってしても、滅びを避けられなかった。火星のテラフォーミングは失敗し、宇宙に希望を見いだして地球を飛び出した人類にも、新天地を見つけることはできなかった。遺伝子を操作し新たな生命となった者は、自分がすでに人間ではないことを知って嘆いた。そして人類は最後の望みを託し、巨大な《都市》をつくりあげたんだ。だけどそれも――』
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水族館の惨劇から2か月.生き延びた斗和は転入先で従姉のかりもや幼なじみの瞬夏との再会,また,宗教団体神悠言に所属する少女たちとの出会いを果たす.過去最大級の人喰らいたちが闊歩するショッピングセンターに閉じ込められた彼らの前に,殺人鬼が再び姿を現す.
思わせぶりにちらつかせてきた背景が一冊かけてどばっと明かされる5巻.デスゲームが中心にあったこれまでとだいぶ毛色が異なる(今回もデスゲームではある).今までも漂わせていたオカルト色,宗教色がブワッと濃くなり,正直困惑した.9人組のアイドルユニットが登場したかと思ったらあっという間に○○されたり××されたりというのも,なんとなく今までの方向と違うような気がするのよな.後半へ進むに連れて情報密度はどんどん濃くなり,方向性もどんどんわからなくなっていく.“「でも、弥生さんなら届く!」”とか,ギャグなのかシリアスなのか本気でわからない.なんか,作品が一足飛びに彼岸へ行ってしまってないか? 不安な気持ちに襲われてしまった.これはひょっとして,21世紀の平井和正誕生に立ち会っているのではなかろうか.とかなんとか.