水沢史絵 『神楽坂G7 崖っぷちカフェ救出作戦会議』 (スーパーダッシュ文庫)

「……うふん。私も鬼じゃないわん。そこまで英介ちゃんたちが言うなら、チャンスをあげる。それじゃ、まずはこの土日で二十万円を売り上げてみなさい。そしたらカフェの存続も考えてあげる。二十万円を一円でも下回ったら、すぐにカフェは閉店。真弥はスナックの仕事に入ってもらうから、そのつもりでね」

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東京の神楽坂で生まれ育った英介は,多くの思い出のある神楽坂にずっと戻りたいと思っていた.両親が渡米するタイミングで,念願叶って神楽坂の祖父母の家に引っ越すことになった英介は,彼は幼なじみたちと共にカフェの経営立て直しを手伝うことになる.
プリキュアの中の人が書いたということで話題になったライトノベル.セリフが説明的すぎるのはまだいいとして,ひとつの文がやたら長い,ひとりの人物なのに「悠斗」と「悠太」という名前が数ページに渡って混在している(ひどい場所だとひとつのカギカッコの中で混在していて,何かのトリックかと思った),と序盤にひどい箇所が続く.しかしこれ作者ではなく編集者の問題だよなあ.編集者が仕事をしない小説とはこういうものだ,というわかりやすい例だと思う.なんの意味があるのかと思うようなネタの数々が綺麗に収束して実を結ぶ展開は良かったと思う(しかし「遺伝子の悪戯」はちょっとどころでなくひどいような)ので,導入さえまともなら良かったのではないかな.