小川淳次郎 『百億の魔女 2』 (講談社ラノベ文庫)

百億の魔女2 (講談社ラノベ文庫)

百億の魔女2 (講談社ラノベ文庫)

正当防衛、なんてのがある。大男に殺されそうだったので、抵抗の末、殺しました。なんてのを言ったら仕方ないと言われるだろう。
仕方なかった。やむを得ない。そいつの自業自得。
そんな、心に響かないものを投げかけられるのだろう。
気持ち悪い。吐き気がする。
わかっちゃいない。わかっちゃあいないのだ。殺人とは、そんな安い言葉でどうにかなるような重さではないのだ。

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零次たちの住む奈々華市を,異様な風体の三人が訪れる.彼らの目的は,零次の死.
〈魔女姫戦争〉(ベルム・レギナ・マギカ)を生き残るのは誰か.三人の奇人に,タイトルの「百億の魔女」も登場の第二巻.登場人物の約半数が土佐弁を使う高知県小説でもある(舞台は高知ではない).土佐弁だから,というわけではないと思うのだけど,テキストの熱量が半端ではない.正直なところ,何が起こっているのかわかりにくいところはあるのだけれど,「戦い」の描写とそのテキストの持つ熱は本物だと思うんだ.なにやらキャラクターも妙に可愛いし,良いものでした.