- 作者: 壁井ユカコ(GoRA),鈴木信吾(GoHands)
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/04/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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学校なんて必要ない。自分たちの世界におとなはいらない。そんなものに保護してもらわなくたって不自由はないし、よっぽど生きやすい。
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世界のどこかで暗躍している陰謀に、中学生二人で立ち向かう基地を作る――考えただけでバカみたいだけど、そのバカみたいなことを、本気で成功させてやろうと思う。
尻込みや畏れはなかった。失敗するとも思わなかった。不貞不貞しさしか今はなかった。
みんなの誤解を解く……ね。八田の熱弁は伏見の心にはなにも響かない。
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誰が他人に誤解されたくないなんて言ったよ。なんでおまえはみんなにわからせたいんだよ……おまえがわかってれば、おれにはなにも、不足はなかったんだ。
でももう、いいや。
おまえはもう、おれの世界にいらない。
中学校の教室で出会った12歳の八田美咲と伏見猿比古.意気投合し,同じ方向を向いていると思っていたふたりの少年は,小さな齟齬を繰り返し,やがて取り返しのつかない決別を迎えることになる.アニメ『K』のノベライズ四作目.いっしょに冒険し,大きな力を求め,つくりあげた自分たちだけの世界は崩壊する.ふたりの少年が出会ってから決別するまでの5年間を濃密に描いたBL小説である.猿比古の父親,伏見仁希と,またいとこの大貝阿耶というふたりの小説オリジナルキャラクター(だよね?)が,別れが約束された物語にすごく説得力と深みを与えている.父親を忌み嫌っていた猿比古が意図せず同じ行動をしていた,というモチーフはすごく好きなんだけど,それがまたゾッとするエグさとクズさなんだわ.ノベライズはひと通り読んでるけど,これがいちばん好きかもしれない.良かったです.