水沢夢 『俺、ツインテールになります。8』 (ガガガ文庫)

「俺のツインテールは!」
バックパックから炎を最大噴射し、俺は双剣を頭上で合わせて構え。
時間(とき)だ……!!」

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死の二菱(ダー・イノ・ランヴァス)の最強の帝王,ティラノギルディによる侵攻が始まった.そんなタイミングで,テイルブルーの正体が姉の恋香に知られそうになったことから,愛香はしばらく変身を控えることになる.代わりにテイルギアを使いアナザーブルーに変身することになったのは,29の誕生日を迎え三十路に足を掛けた桜川尊だった.
時間SFと化したシリーズ8巻.ツインテールは時間の流れに干渉し,時空を破壊する力さえ持つ.ある意味いままでの巻と同じかそれ以上に無茶な設定なのに,読み終わるころには素直に受け入れ感動させられているという.話の大きな軸になっているのは愛香とトゥアールの関係の変化,なんだけど,百合と同時に友情を強く感じさせる描き方になっているのがすごくらしくてかっこいい.それでいて時間SFらしい切なさ,甘酸っぱさも存分に出している.ずるいけどうまいわ.これは傑作と言っていい